大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けた際に、「大腸ポリープがあります」と言われ、ショックを受けたことがある方は多いのではないかと思います。

大腸ポリープと聞いてどのような物体を思い浮かべられるでしょうか。

患者様から受けるご質問で多いのが、「大腸ポリープと大腸癌(がん)は違うものですか?」というものです。

大腸ポリープに関して患者さんから聞かれることが多い質問についてまとめてみました。

大腸ポリープとは

大腸ポリープの定義は、「大腸の内側に向かって一定の領域で隆起する病変で、良性か悪性かは問わない」とされています。

大腸ポリープ

言葉の定義から、大腸ポリープ=大腸がん、とは限らないということですね。

なので、大腸ポリープと言われたからと言っても、あまり心配しなくても良い場合も多いのです。

大腸癌の心配がある大腸ポリープと、大腸癌を心配しなくても良い大腸ポリープの違いについて見て行きましょう。

癌(がん)になるポリープ、癌にならないポリープの違い

大腸ポリープは、組織の形態の違いにより、癌(がん)、腺腫(せんしゅ)、過形成性ポリープ、炎症性など多岐に分類されます。

患者さんにとって気になるのは、発見された大腸ポリープが
・癌なのか
・癌ではなくても、将来的に癌になる可能性があるのか
・治療が必要なのか
ということですよね。

大腸内視鏡の際、発見されるポリープのほとんどが腺腫(せんしゅ)、または過形成性ポリープです。


過形成性ポリープは癌化の可能性は低く、基本的に治療の対象ではなく、様子見になることが多いです。


しかし、腺腫については癌化の可能性があるため、治療の検討が必要になります。

大腸の腺腫(せんしゅ)とは

大腸腺腫は大きくなると、大腸癌(がん)になるとされています。

大腸腺腫の全体が大腸癌になるのではなく、一部が癌化して、大腸腺腫と大腸癌の部分が混在するというパターンが多くみられます。

大腸腺腫は、以下のように大きくなるほど癌化のリスクが高くなります。

大腸腺腫が大腸癌を合併する確率
・5 mm以下:0.46%
・6~9 mm:3.3%
・10 mm以上:28.2%

大腸ポリープ診療ガイドライン2014

5 mm以下の大腸腺腫であれば大腸癌の確率は低いですが、6 mm以上であれば大腸癌を合併している可能性も出てくるため、治療を検討した方が良さそうですね。

大腸ポリープ診療ガイドライン2014も、6 mm以上で内視鏡的摘除を推奨しています。

ただし、5 mm以下でも治療した方が良いポリープの形態もあるため、大きさや形態などで総合的に判断する必要があります。

大腸ポリープの治療について

ほとんどのポリープは内視鏡治療で治すことが可能で、おなかを切る必要はありません。
内視鏡治療の方法としては、以下の3つが代表的です。
・ポリペクトミー
・EMR(内視鏡的粘膜切除術)
・ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

この内、ポリペクトミーとEMRは、ポリープの大きさ、病院の方針などにもよりますが、最近は日帰りで治療できる場合が多くなってきています。

ポリペクトミーとEMR(内視鏡的粘膜切除術)では、スネアと呼ばれる金属性の輪をポリープにかけ、電流を流して切除します。

いわゆる「血液サラサラの薬」を内服されている患者さんも多いのですが、最近はガイドラインの変更などもあり、「血液サラサラの薬」を内服されていても、日帰りで大腸ポリープの治療が出来る場合が多くなって来ています。

ただし、薬の種類によっては日帰りで治療出来ない場合もあるため、事前にご相談下さい。

20 mmを超えるような大きなポリープはESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の検討が必要です。ESDを行う場合は、入院が必要になります。

大きな大腸ポリープでは、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)での治療が必要な場合があります。

大腸ポリープを内視鏡で切除した場合、次はいつ大腸内視鏡を受ければ良いか?

大腸ポリープの治療後は、3年以内に大腸内視鏡を行い、新しいポリープが出来ていないかどうか、切除した部位に問題が起きていないかを確認することが勧められています。

大腸ポリープ診療ガイドライン2014

あくまでも「3年以内」であり、検査間隔を一律3年として良いかどうか、一定の見解はありません。

一般的には、内視鏡切除後は1年後に大腸内視鏡検査を受けるように勧める医師が多いです。

まとめ

今回は、大腸ポリープの一般的な情報と、大腸ポリープの中で頻度が高い腺腫(せんしゅ)の情報を中心について説明しました。

大腸ポリープと言っても、色々な種類があり、ここだけでは説明しきれないものも沢山あります。

疑問がある場合は、担当医にご相談されることをお勧めします。

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