出典:Nagata M, et al. Dig Dis Sci 2023; 68: 2531-2544. © The Author(s) 2023

胃腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)におけるトラクション法に関する原著論文が、Digestive Diseases and Sciencesに掲載されました。

今回の研究では、胃ESDにおける最適な牽引方向について検討しました。

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論文情報

論文タイトル
Impact of Traction Direction in Traction-Assisted Gastric Endoscopic Submucosal Dissection (with Videos)

掲載誌
Digestive Diseases and Sciences

形式
原著論文

DOI
https://doi.org/10.1007/s10620-023-07870-z

筆頭著者
Mitsuru Nagata(永田充)

胃壁に垂直なトラクションが胃ESDでは有効な可能性

ESDは、早期胃癌などを内視鏡で切除する治療です。外科手術とは異なり、胃や腸の中に直接手を入れて病変を持ち上げたり、引っ張ったりすることはできません。

そのため、治療の難易度が高くなったり、治療時間が長くなったり、穿孔(せんこう:胃や腸の壁に穴があくこと)などの合併症リスクが問題となることがあります。

このような課題を解決するための工夫の一つが、トラクション法(牽引法)です。トラクション法は、ESD中に病変を適切な方向へ引っ張ることで、視野を確保しやすくし、安全で効率的な治療につながることが期待されています。

一方で、胃ESDにおいて「どの方向に牽引するのが最も有効か」については、十分に分かっていませんでした。

今回の研究では、胃ESDにおける牽引方向に注目して検討を行いました。その結果、胃壁に対して垂直方向の牽引が有効である可能性が示されました。

現在、牽引方向を自由に調整できる処置具は限られていますが、本研究で使用したS-Oクリップ(ゼオンメディカル)は、牽引方向をコントロールできるトラクションデバイスです。胃壁に対して垂直方向の牽引を行うことも可能であり、胃ESDにおいて有用な選択肢となる可能性があります。

S-Oクリップ(ゼオンメディカル)
出典:Nagata M, et al. Dig Dis Sci 2023; 68: 2531-2544. © The Author(s) 2023
S-Oクリップを利用した胃ESD
出典:Nagata M. Surg Endosc. 2020;34:3722–3733. © The Author(s) 2020

論文の内容および動画は、以下のページからご覧いただけます。

論文を読む
https://doi.org/10.1007/s10620-023-07870-z

また、論文PDFも以下から無料でダウンロードできます。

👉ESDに関する基本事項については、こちらの記事をご参照ください。

▶この記事を書いた人
永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)
詳しいプロフィール・実績はこちら

▶ 永田充 医師のアメブロはこちら
ピロリ菌、食道がん・胃がん・大腸がん、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)などについて、患者さん向けに分かりやすく解説しています。

▶ 専門家向けの解説(note)はこちら
Underwater ESDなど、より専門的な内容をまとめています。

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