9月5日に開催された第25回神奈川県消化器内視鏡懇談会に参加してきました。

今回はシンポジウムで、「浸水下内視鏡治療の実際」について講演をさせていただきました。

内視鏡治療とは

内視鏡治療とは、胃カメラや大腸カメラを利用した治療のことです。

昔はおなかを切らなければ治すことが出来なかった大きながんも、最近は胃カメラや大腸カメラから出した電気メスを使って切り取ることが出来るようになりました。

そのため、おなかを切らずにがんを治すことが出来るようになってきました。

外科手術と違い、内視鏡治療では胃や大腸などがなくなったりすることがないため、基本的に後遺症がないのが大きな利点です。

患者様には大変好評で、内視鏡治療の件数が非常に増えて来ています。

厚生労働省が発表したNDBオープンデータによると、最近、胃がんの治療に関しては、内視鏡治療の件数が、外科手術の件数を超えたということです。

浸水下内視鏡治療とは

食道・胃・十二指腸・大腸の腫瘍(がん、腺腫など)の内視鏡治療は、送気をして膨らませた腸管内で行われて来ました。

最近、生理食塩水などで膨らませた腸管の中で内視鏡治療を行うことで、今までになかった利点があることが分かってきました。

この新しい方法を”浸水下内視鏡治療”と呼んでいます。

浸水下内視鏡治療として、

・Underwater ESD(浸水下で行う内視鏡的粘膜下層剥離術)

・Underwater EMR(浸水下で行う内視鏡的粘膜切除術)

があります。

今回の講演では、特にUnderwater ESDを中心として話をさせていただきました。

ESDの詳しい説明

Underwater ESDの利点を生かすことで、送気下で行うESDでは治療が困難だった十二指腸腫瘍や、大腸腫瘍の中でも特にESDが難しい症例などに対応出来る場合があります。

Underwater ESDの利点の1つとして、スペースを確保したい場所を中心とした限局的な腸管の拡張が得られ、胃カメラや大腸カメラの操作性を保持しやすいことが挙げられます。

一方、送気下ESDでは、送気したガスが拡散し徐々に他の場所も拡張していきやすくなり、胃カメラや大腸カメラの操作性が徐々に悪化する場合があります。

送気下ESD。胃の中が送気により徐々に拡張し、胃カメラがたわみやすく、操作しにくい。

Underwater ESD。十二指腸の限局的な拡張が得られ、胃の中が拡張しにくいため、胃カメラがたわみにくく、操作しやすい。

ただ、良いことばかりではなく、特有の問題点もあります。

また、浸水下では視野の変化、導電性の変化などの環境の違いもあります。

使いこなすためには、色々なことを把握しておく必要があります。

今回の講演では、これまで拙著で述べてきたことに加え、新しく気付いた利点や、問題点への対処法も述べて参りました。

今後も検討を続けていきたいと考えております。

おすすめの記事