湘南藤沢徳洲会病院・内視鏡内科の医師、永田充です。

最近、大腸がんが増えて来ています。

国立がん研究センターから公開されている最新のデータでは、男性、女性とも大腸がんによる死亡数はトップ3に入っています。

特に、女性では第1位になっています。

死亡数が多いがんの順位(2017年)

  1位 2位 3位
男性 肺がん 胃がん 大腸がん
女性 大腸がん 肺がん 膵臓がん

出典:国立がん研究センターがん情報サービス

一方で、大腸がんは進行が比較的遅く、他の臓器に転移しても切除出来る可能性があるといった特徴があります。そのため、大腸がんは早い段階で発見されれば、治る可能性が高いがんと言われています。

大腸がんを早い段階で発見するためには、大腸がんによる初期症状を知っておく必要がありますね。また、どのような検査をすれば早く発見出来るのかを知っておく必要もあります。

ただ、大腸がんと一口に言っても、発症したばかりの早期大腸がんと、発症してから時間が経過して病態が進んでしまった進行大腸がんでは見た目、症状、治療法など全てが違ってきます。

早期大腸がんのイメージ
進行大腸がんのイメージ

ここでは、大腸がんに関する統計、早期がんと進行がんの違い、初期症状、早期発見のために必要な検査についてまとめました。

大腸がんは40歳ころから増えていきます

年齢が高くなるほど大腸がんになりやすくなります。

下のグラフは、大腸がんがどれくらいの頻度で発症するかを年齢階級別に表したものです。

青が男性、オレンジが女性のグラフです。

男女とも、40歳くらいから徐々に大腸がんが増え始めるのがお分かりかと思います。

大腸がんは、大腸腺腫(せんしゅ)という良性ポリープが徐々にがんに変化して発症することが多いと言われています。

大腸腺腫のうちに切除してしまうことで、大腸がんの発症を抑えることが出来ます。

大腸腺腫はほとんどの場合、ポリペクトミー、EMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの大腸カメラを用いた治療法で、おなかを切らなくても切除することが出来ます。

40歳を過ぎたら大腸カメラを検討されることをお勧めします。

大腸がんは進行具合によって早期大腸がん、進行大腸がんに分類されます

下の図は、大腸の壁構造と、大腸がんの根の深さの関係を表したものです。

大腸がんは粘膜に発生し、成長すると徐々に根が深くなっていき大腸の壁の中を進んでいきます。

大腸がんの根が粘膜下層までのものを早期大腸がん、固有筋層まで到達したものを進行大腸がんと呼びます。

早期大腸がんでは他の臓器やリンパ節への転移のリスクが低いのに比べ、進行大腸がんでは転移のリスクが高くなります。

また、転移のリスクは大腸がんの根が深くなればなるほど高くなっていきます。

早期大腸がんの状態にとどまっている期間に切除出来れば、転移が起きてしまう前に治すことが可能性が高くなります。

大腸がんの初期症状

早期大腸がんの間は自覚症状がほとんどありません。自覚症状がないため、知らない間にがんが大きくなったり、がんの根が深くなったりして病態が進行していきます。

進行した大腸がんの状態になると、血便などの症状が出てきます。

主な症状について、ご説明します。

・血便

進行した大腸がんは出血しやすいため、血便の原因になります。

・ふらつき、体のだるさ

血便が続くと徐々に体の中から血液が失われ、貧血を起こします。貧血によりふらつきや、疲れやすい、体のだるさなどの症状が現れてきます。

・便秘、便が細くなる、腹痛、おなかの張り、下痢

がんが大きくなると腸の中のスペースが狭くなります。そのため、便が通りにくくなり、便秘、便が細くなる、腹痛、おなかの張りなどの症状が現れます。

狭いところを通過した便が小出しになり、下痢のような症状を起こすこともあります。

最終的には、がんが大腸の中をふさいでしまい、腸閉塞の状態になってしまいます。

大腸がんを早期発見するために必要な検査

大腸がんの早期発見の効果が実証されている検査としては、便潜血反応、大腸カメラの2つが代表的です。

 ・便潜血反応

大腸がん検診などで行われる検査で、便の中に含まれる血液の有無を調べます。

便を採取するだけなので、簡単に出来ます。

陽性になった場合、約3%に大腸がんが発見されます。便潜血反応が陽性の場合は大腸カメラでの精密検査が必要です。

大腸がんがあっても、必ずしも便潜血反応が陽性になるわけではないことに注意が必要です。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

 ・大腸カメラ

大腸(直腸~盲腸)を内視鏡で観察して、異常の有無を調べる検査です。便潜血陽性の場合、一般的には、精密検査として大腸カメラが行われます。

大腸がん、大腸ポリープの診断の精度が高い検査法です。生検(組織を採取して悪性の有無を確認すること)や、大腸ポリープを切除することが出来ます。

まとめ

・大腸がんは、男女とも40歳以上になると増えてくる。

・早期大腸がんは自覚症状がほとんどない。

・進行大腸がんになって、血便などの症状が出てくる。

・早期発見のために、便潜血反応、大腸カメラを定期的に受けることが必要。

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