最近、大腸ポリープ、大腸がんでご紹介を受ける患者様が増えています。

外来でお会いした患者様から受ける質問として多いのが、「大腸ポリープ、大腸がんの原因は何ですか?」というものです。

原因が分かっていれば、それに気を付ければ良いわけですから、大切なことですよね。

大腸ポリープ、大腸がんの原因についてまとめてみました。

肥満

最近、肥満になると大腸ポリープ、大腸がんのリスクが高くなるという報告がされています。

肥満は大腸ポリープ、大腸がんだけではなく、糖尿病、高血圧などの原因にもなります。

肥満にならないようにすることは、健康のために重要です。

肥満を防ぐために適度な運動を心掛け、カロリーのとりすぎに注意しましょう。

肥満の目安:BMI

自分が肥満かどうかは以下の計算式でBMIを算出して判定します。

BMIが25以上なら肥満です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

BMI≧25肥満
18.5≦BMI<25普通体重

BMI=22が理想
BMI<18.5低体重

1日の摂取カロリーの目安

標準体重と普段の体の動かし具合で摂取カロリーの目安を計算できます。

標準体重(kg)=22×身長(m)×身長(m)

・あまり体を動かさない仕事をしている場合:標準体重×30キロカロリー

 身長170 cmの方であれば、約1900キロカロリー。

・体を動かす仕事をしている場合:標準体重×35キロカロリー

 身長170cmの方であれば、約2200キロカロリー。

カロリーの計算はカロリズムというサイトが参考になります。

ごはん普通盛り235キロカロリー、食パン1枚177キロカロリー、かつ丼 893キロカロリー、牛丼909キロカロリー、生姜焼き定食789キロカロリー、ビール中ジョッキ140キロカロリーといったところです。

食生活の欧米化

大腸ポリープ、大腸がんは以前、日本人には少なかったのですが、最近とても増えてきています。

その原因の一つとして、食生活の欧米化が挙げられています。

食生活の欧米化により、脂肪の摂取量が増え、食物繊維の摂取量が少なくなってきています。

脂肪の多い食事は肥満につながります。

そして、肥満は先ほど述べたように大腸ポリープ、大腸がんの原因になります。

また、食物繊維の摂取量が少なくなると、便秘の原因になります。

便秘になると食事中の発がん物質が腸の粘膜と接しやすくなり、結果として大腸ポリープや大腸がんが出来やすくなると考えらえています。

大腸ポリープ、大腸がんを防ぐためには油っこい食事を避け、食物繊維を適度に摂取するようにすることが大切です。

食物繊維の多い食べ物には、麦、さつまいも、こんにゃく、豆類、野菜、果物、海藻、きのこなどがあります。

食物繊維は便秘を防ぎ、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防効果もあることが分かってきています。

遺伝子変異

大腸ポリープ、大腸がんの原因として、がんに関連した遺伝子の変異があります。

がん抑制遺伝子APCの変化によって正常な細胞が異常に増殖し、良性ポリープである腺腫(せんしゅ)が発生します。

がん遺伝子K-rasの変化で腺腫が成長します。

最終的にがん抑制遺伝子p53の変化で腺腫ががん化し、大腸がんが発生します。

大腸粘膜にこれらの遺伝子変異が蓄積し、加齢とともに大腸がんが発生しやすくなります。

このような、良性ポリープである腺腫が悪性化し、大腸がんになる機序を”adenoma carcinoma sequence”と呼びます。

多くの大腸がんはこの機序で発生していると考えられています。

腺腫以外にも、鋸歯状腺腫(serrated polyp)と呼ばれている良性ポリープから発がんする経路(Serrated pathway)も報告されています。

良性ポリープである腺腫や鋸歯状腺腫のうちに切除すれば、大腸がんの予防効果が期待出来ます。

そのためにも、定期的に大腸内視鏡(大腸カメラ)を受ける必要があります。

40歳以上になると大腸ポリープが出来やすいと言われています。

大腸ポリープは基本的におなかの痛みなどの症状は出ないことが多いです。

特に症状がなくても、40歳以上で大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けたことがない方は医療機関でご相談下さい。

一方、良性ポリープを経ることなく、最初から大腸がんとして発生する場合もあり、そのような大腸がんを”de novo がん"と呼びます。

遺伝

大腸ポリープ、大腸がんの中には遺伝により家族内で発生するものもあります。

代表的なものは以下の2つです。

・家族性大腸腺腫症 (familial adnomatous polyposis: FAP)

大腸に100個以上の腺腫(大腸ポリープの一種)が多発します。

放置するとほぼ100%大腸がんを発症し、十二指腸など他の臓器にもがんを発症しやすいとされています。

・リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん:hereditary non-polyposis colorectal cancer: HNPCC)

若年でのがんの発症、右側結腸に発生しやすいなどの特徴があります。

大腸以外にも子宮、卵巣、胃、小腸、胆道、膵臓など色々な部位にがんが出来やすいことが分かっています。

家族性大腸腺腫症と比べると臨床的特徴が乏しく、発見されにくいとされています。

家族性大腸腺腫症、リンチ症候群が疑われた場合、患者様本人のほか、家族(血縁者)にも遺伝子の検査、全身の精密検査を受ける必要があります。

まとめ

以上のように、大腸ポリープ、大腸がんには色々な原因があります。

これだけに注意しておけば大丈夫といったものはありません。

重要なことは

・脂っこいものを控える

・食物繊維を適度に摂取する

・適度な運動

・カロリーのとり過ぎに注意する

といった普段の心がけになります。

また、定期的に大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けることで、大腸ポリープ、大腸がんを早期発見、早期治療すれば転移などの問題を起こす前に治すことが出来ます。

大腸内視鏡(大腸カメラ)は以前は苦しい、痛い検査と言われていました。

最近は検査の際の苦痛を軽減するために

・おなかの張りを和らげるガスの使用

・痛みを軽減する薬の使用

・細いカメラの使用

などで楽に受けていただけるようになってきており、私の勤務している湘南藤沢徳洲会病院でも導入しています。

小さな大腸ポリープであれば、ほとんどの場合は日帰りで切除することが出来ます。

湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡室

詳しい内容は、湘南藤沢徳洲会病院内視鏡内科ホームページをご覧下さい。

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