World Journal of Gastroenterology誌 (Impact Factor: 5.742)に、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に関する当科の総説論文が掲載されました。
タイトル:Advances in traction methods for endoscopic submucosal dissection: What is the best traction method and traction direction?
掲載誌:World Journal of Gastroenterology 2022; 28(1): 1-22
形式:総説
著者:Mitsuru Nagata (永田充)
この論文は、オープンアクセスとなっており、著作権は私が保有しています。
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論文の概要
この論文は、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)におけるトラクション法に関する総説となっています。
ESDは、食道・胃・十二指腸・大腸の早期がんなどを、胃カメラ・大腸カメラを利用して切除する方法です。
ESDは2000年ころに日本で開発された治療法ですが、この方法により、おなかや胸などを切らなくても、食道がん、胃がん、十二指腸がん、大腸がんを切除できるようになりました。
ESDは体への負担が軽いため、患者様にとってメリットが大きい治療法ですが、内視鏡治療法としては、時間がかかる、穿孔(せんこう:胃腸の壁に穴があくこと)などのリスクが高いことが問題とされています。
これらの問題点を解決するための工夫として、トラクション法と呼ばれる方法があります。
トラクション法は、ESDの発展に伴い、色々な方法が開発されてきました。また、現在も新しい工夫が生まれて来ています。
今回の論文は、これまでに報告されたトラクション法の総説になります。
総説:特定の分野や主題について、関連文献、資料に基づいて総括的に論評した記事。
医学中央雑誌刊行会
トラクション法の総説は他にも出版されていますが、今回の論文ではタイトルにもある通り、トラクションの方向がその効果に与える影響などを中心に考察しています。
トラクションの方向に関して考察した文献は、まだ少ないのではないかと思います。
ご興味があれば、是非、ご覧になってください。
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